賃貸人が賃料振込口座として第三者名義の口座を指定した場合において、そこに特殊事情がある
ときは、賃借人もそれに巻き込まれることがあります。
1.その会社による賃貸借に変わってしまうのかどうかが問題となります。
また、賃貸人の債権者からの差押の対象となることもあります。
2.代理受領の法理が適用されることがあります。
3.賃貸人の債権者による賃料債権差押の対象となることがあります。
その場合には、賃借人も差押命令に従わなければなりません。
4.賃借人は、賃料の詐害的譲渡についての事情は何も知らされていないのに、詐害行為取消訴
訟の被告とされ、応訴の迷惑をこうむることがあります。
5.差押を回避するための賃料名義を変更したと認められたときは、犯罪(強制執行免脱罪。刑法
96条の2)に問われることもあります。
そのような賃料名義の変更について、賃借人と賃貸人が共謀したようなときには、賃借人も同罪
に問われることがあります。
しかし、そのような特殊な場合を除けば、賃借人がただ一方的に賃貸人の指示に従っている限り
、たとえ賃貸人に強制執行免脱罪が成立しても、賃借人には無関係です。
脱税目的の場合も同様です。
